クロッキーブックの彩雲

「君は泣くふりも素敵だ 姿のいいひとよ」

スカーレットってどんな色?

白く眩しい曇りの日、天神
小柄、明るい色の前下がりボブから、ゴールドチェーンが揺れる
黒縁取りのあるドカッとしたトートを抱えて、時計を見ながらコーヒーショップに消えていった

青みがかったオーバーサイズのシャツ(本来はシャツワンピ?)は、薄く軽い生地がたっぷり、歩くだけで前身頃?がふわ〜っとそよぐほど
でも背中側についてはあまり透け感がないので、裏付きかもしれない
肩ヨークの背中側の切り替えが肩甲骨よりも下にある、変わったデザイン

大ボリュームのシャツの下はこれまた大ボリュームのロングスカート
上質の麻かシルクか…薄くしなやかで張りのある生地がバッサバサ重なり合っていて、これも歩くたび空気をはらんでフワフワ跳ね上がる
その裾から見える、シルバースニーカー

赤もいろいろありすぎ

印象的なスカートは、フューシャと言うにはやや黄色みがあって、かといって完全な黄色味の赤ともつかない、豊かな色だった
ふとスカーレットってこんな色なのかな…?と調べたら、定義としてはスカーレットとは結構黄色寄りの赤を指すらしい

スカーレット - Wikipedia

でも、リンク先でスカーレットの名がつくものを見てみると、結構てんでバラバラの色で、要するにカッと強い赤ならスカーレット、と呼ばれているような…

スカーレットと言えば「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラ、あの人も名は体を表すの代表格であろう
多分「スカーレット」という言葉にすでに、深みのある赤、強い赤、転じて気性の激しさ、燃え上がる直情型、みたいなイメージがあるのかもしれない

この人の、生地の軽さと色の強烈さがアンバランスで、そのせいでかえって印象深いスカートを見て「スカーレットかな?」と思ったのも、ムリもないのかも
久しぶりに「目の覚めるような色」というのを見た思い

*

ところで日本の色ならどれになるかな…?と探したら「紅」が一番近かった

NIPPON COLORS - 日本の伝統色

青みもあるんだけど完全な青みの赤ではないのよね…
まあモニターで見たところであんま意味もないけども

紅は「呉の藍」、昔染料のことは全て「藍」と呼んでいて、呉の国から来た藍(染料)、ほどの意味合いだった説があるとか
そいや藍色と紅色の混色(紫っぽい色)を「二藍」と言うのは、紅色が「呉の藍」だから、みたいな話も思い出した…