クロッキーブックの彩雲

「君は泣くふりも素敵だ 姿のいいひとよ」

地下鉄〜祇園駅方面連絡通路

地下鉄の博多駅祇園間の地下通路は、粗削り風石製タイルが目地アリで敷き詰められていて、素材×工法のダブルデコボコになっている

この通路に旅行カートがやって来ると、耳をつんざく轟音がガラガラゴロゴロと響き渡る
一駅分、ながーーくてほぼまっすぐ遠くまで続く地下通路は、上下左右前方後方共鳴しまくり、周りは会話にエネルギーを要するほど
 
あまりの音に前を見ると、カートを引く女子とバッグと袋だけの女子が、楽しそうに歩く
夏休みで帰省した友達を迎えに来たのかな?
 
遠くてよくわからない柄のシフォンワンピ
柄の中でリボンが翻ってるのは分かる
袖と裾のフリルがふわふわ揺れる、でもよくあるような安っぽさはない生地に見えた
歩きながら、袋から買ったばかりの水色のニットカーディガンを出して見せ、カートの友達は「かわいいやん」かなんか言うていた
 
この通路に空調は(多分)なく、日差しがない分外よりマシ、たまに過ぎる地下鉄からの風が通る時だけやや涼し…というところ、ここにカートがいると、居合わせて歩く者には割に合わない騒音と暑さで消耗するのであるが、大ターミナル博多駅周辺なればカートが多いのもやむなし、それでもそこを見越してもうちょいツルツルした素材のタイルにせんやったとかいな、最新の駅そばなんかはその辺考慮しとんやない?いやそれほどもないやろ、、、などと、あとから享受するだけの人間は勝手な言い草である
 
しかしそんな中、歩きながらこの涼しげなよそおいを眺めているうちに、そもそも彼らが一番会話するのに大声出さないかんやろし、床のせいでやかましくしてカート引く本人も恐縮しとるやろ、大変ばい…と見解も変わってくるのであった
 

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